
野菜とハムはそれぞれで食べてもよい食材ですが、一緒に食べるとより美味になる可能性があります。
どうすればもっと美味しく食べられるかを理解するには、それぞれの食材の良さを知る必要があるでしょう。組み合わせを考えるのはその後です。
食材にこだわるのも良いですね。野菜ならば有機野菜などのこだわって栽培されたもののほうが美味しい気がします。ハムならいつもより少しお高いものを買ってみるのも、自家製も良いですね。
ここではまず「ハム」に注目してみたいと思います。
身近な「ハム」の世界

現代において「ハム」は、世界各で作られるようになり、そのスタイルや味付けには、それぞれの土地の風習や土地柄がみられます。おおまかに、ハムを分類していきますと、「骨付きハム」「生ハム」「加熱加工したハム」などの3種類に分ける事ができるようです。
●「骨付きハム」・・・豚のもも肉に、塩をすり込み、20℃以下の低温で燻煙したもの。
●「生ハム」・・・豚のももやロース肉が使われます。低温で燻煙し、熟成させます。加熱加工しません。
●「加熱加工したハム」・・・肉の形を整えて、塩漬けしてから、燻煙、水蒸気や水煮などで、加熱加工します。
日本で、一般的に「ハム」として知られていたハムは、「加熱加工したハム」になります。また、日本の独自のハムとして作られるようになった「プレスハム」があります。プレスハムの特徴は、またの名を、「寄せハム」と呼ばれるように、様々な部位のお肉を寄せ集めて、成形しハムのまとまった形にしてから、燻煙し加熱加工します。
ベーコンと比較してハムが、調理しなくともそのまま、食べる事ができるのは、この加熱する加工方法の違いによるもののようで、ベーコンには、水蒸気などを利用して加熱処理を行わない種類のベーコンがある事から、日本では、ベーコンは食べる前に火を通すという暗黙のルールが必要があるようです。
では、どうして生ハムは、そのまま食べられるのかと言いますと、その高い塩分濃度や、製造過程による長い熟成期間によって、菌が繁殖しずらい食品になっているのだそうです。食べ物って不思議の宝庫ですね。
ロースハムの制作

燻製品は、元々は保存食品とされていましたが、現在では燻製された風味を楽しむものとして食べられていることが多いそうです。手作りをしている燻製品はセミスモークと呼ばれており、保存期間も短いものになっています。一般的なものでは、冷蔵保存をした場合でハムやベーコンで一ヶ月以内、燻鶏は十日以内、ソーセージ等が半月以内の目安となっています。さらに保存をする時には必ず密封をして保存しなければならなく、一度開封したものは早めに食べきる必要があります。このときに冷蔵ではなく冷凍してしまうと、保存期間が伸びる一方で肉が硬くなってしまいます。
既製品だけでなく、ギフトやお歳暮で貰ったハムを使用して自分でロースハムを手作りする人も少なくありません。ハムは元来、豚の腿肉を意味しています。しかしロースハムは、豚の背ロース肉や肩ロース肉を利用して制作する加工品です。ロースハムを作る際には、ブロック肉としてロース部分の肉を購入して燻製にするか、枝肉からロース部分を切断して使用します。枝肉から切断する際には、ろっ骨や背骨を丁寧に取り外し、背脂肪を五ミリ~十ミリほど残して削り取ります。熟練した人でないと骨抜きが上手くできないので、慣れていない人はブロック肉を買った方が無難です。
大まかな制作の流れは、まず肉に入っている脂肪やくず肉を包丁でしっかりと取り除きます。食塩を肉全体にまぶした後に、重しをして一昼夜冷蔵庫で寝かせましょう。さらに食塩や砂糖等を入れた液に一週間浸け込み、流水の中で塩抜きを行います。水分を拭き取った後、肉を円形状に巻いてタコ糸で両端を縛り、縛った状態で三時間ほどの乾燥、五時間ほど燻煙にあてます。最後に七十℃の湯で一時間ほど煮込めば完成です。
自宅で燻製を行う時の注意

ギフトの定番とも呼ばれるハムやベーコンなどの燻製品ですが、最近では自宅で作るという人も増えているそうです。庭やベランダなどの充分なスペースがある家では良いですが、マンションやアパートでは難しいとされています。
まず注意しなければならない点は、火災報知器です。そもそも火災報知器は、煙で感知するタイプと、熱を感知するタイプがあります。熱を感知する場合であれば、まず反応しないことの方が多いそうです。また、煙感知型のものであっても少量の煙では反応しませんが、高層ビルなどに導入されているグレードの高いものであると反応してしまう場合があるそうです。不安があれば確認をしても良いでしょうし、そもそも室内で多量の煙を出さないという工夫をする、もしくは庭などの室外で行いましょう。マンションやアパートのベランダで行う場合、隣との距離が近いので行わない方が無難です。近くに人がいない場合にも、風向きには充分注意しましょう。マンションやアパートはもちろん、住宅が周囲にある場合には、夜間に燻製を行いましょう。煙の臭いは湿ったものに付着しやすい特性があるため、日中に洗濯物を出している家に迷惑が掛かってしまいます。
室内で燻製を行う場合には、必ず換気扇の下で行いましょう。気密性の高い燻製器を使うことで、煙をあまり出さずに燻製を行うことができます。市販されている燻製器を使うのはもちろん、大きめのダンボールなどをかぶせて煙を防ぐことも可能です。外部に煙が漏れ出さないだけでなく、ダンボール自体が煙を吸い取る性質があります。使い終わった後にも捨てることが可能ですので、非常に便利です。ただし燻製を行うときは高温状態になっているので、ダンボールが燃えないよう注意が必要です。
食品にまつわる法律は変化している

昔であれば食品扱いだったものが、現代ではそういう扱いができないというケースも多いです。
例えば厚生労働省では医薬品の範囲に関する基準の改正を随時行っています。食品として流通されているものについては、医薬品医療機器等法(薬機法)の規制対象にはなりません。仮に製造販売された商品が偽造品や著しい不良品だった場合、それを手にして摂取した消費者が健康被害を受ける可能性があり、被害が広がると医薬品に対する不信感の増大にもつながるおそれがあります。このようなことなどが背景となり基準の見直しが行われているのです。
例えば令和2年3月の改正では、NMN(ニコチンアミドモノヌクレチド)のサプリメントやニコチンアミドリボシドクロライド(NR)をはじめとする4つの成分が新たに「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質(原材料)」に、カンレンボクやエンベリア、カイコウズなど11種類の成分が新たに「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」に加えられました。